「都立高校に通っていても、海外留学なんてできるの?」
そんな疑問を持つ方にこそ知ってほしいのが、東京都の「次世代リーダー育成道場」のような留学支援制度です。
JASSOなどの給付型奨学金と併用できる制度もあり、授業料や滞在費を抑えながら、1年間の本格的な海外留学が実現可能です。
英語力や国際感覚、自立心を育む絶好のチャンスであり、進学や将来のキャリアにも大きな影響を与えます。
海外留学に少しでも興味があるなら、まずはこの記事を読んで情報をチェックしてみてください。
この記事のポイント:
- 都立高校生でも海外留学を実現できる制度が整っている
- 成績よりも意欲や目的意識が重視される選考が行われる
- 奨学金や減額制度を活用すれば費用負担を大きく抑えられる
- 語学力や主体性を育み、将来の進路選択に役立てることができる
都立高校の留学制度とは?制度の全体像を解説
- 東京都が支援する留学制度の概要 🌍
- 公立高校生が対象の制度とは 🏫
- 留学に適した学年・時期は? 📅
- 派遣先の国や期間の特徴 ✈️
- 都立高校留学の応募条件と対象者 📋
東京都が支援する留学制度の概要 🌍
「都立高校に通う生徒でも、海外留学ができる制度がある」と聞くと驚く方もいるかもしれません。実際、東京都では以下のような留学支援制度が整備されています。
🔹制度の名称:次世代リーダー育成道場
東京都教育委員会が主催し、都立高校生を対象に年間約200名が参加する大型プログラムです。
🔸制度の主な特徴
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都が選抜・研修・派遣を一括して実施
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1年間の海外留学(授業+ホームステイ)を経験
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英語力・国際感覚・自立性を育成することが目的
📌参加者の学び
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現地高校に通学(英語で全教科受講)
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ホストファミリーと生活
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派遣前後に事前・事後研修あり(都立校教員による指導)
✈️ 短期体験ではなく「成長型の1年留学」として、進学・将来のキャリアに直結する制度です。
公立高校生が対象の制度とは 🏫
「私立高校に通っていないと無理では?」と思う方もいますが、この制度は都立高校生、つまり東京都の公立高校に通う生徒のためのものです。
🔹応募できるのはこんな生徒
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東京都立高校(全日制・定時制)の在校生
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校内での推薦を得た生徒(学業・人物面で基準あり)
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海外での学習・生活に意欲のある生徒
🔸公立生だからこそのメリット
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授業料・渡航費などが都の支援で大幅に減額
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私費留学の1/3以下のコストで実現可能
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学内での情報提供・サポート体制も充実
📌 一部の高校(都立国際・三田など)では、留学実績が豊富で、校内支援も手厚く行われています。
🌟 経済的・制度的なハードルを下げ、「誰でも挑戦できる環境」が整っているのが最大の魅力です。
留学に適した学年・時期は? 📅
「高校生活のどのタイミングで留学するのが最適?」という疑問は、多くの生徒や保護者が抱えるポイントです。
都立高校の留学制度では、高1〜高2の間に応募・選考を受け、翌年度に1年間の留学に出発するのが一般的です。
🔹コース別のスケジュールと特徴
コース | 出発時期 | 帰国時期 | 推奨応募学年 | 留学期間の特徴 |
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Aコース | 12月(冬) | 翌年12月 | 高1→高2の間 | 南半球学年度(1月〜12月)に準拠 |
Bコース | 9月(秋) | 翌年8月 | 高1→高2の間 | 北米学年度(9月〜6月)に準拠 |
🔸タイミング選びのポイント
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Aコースなら高2の終わりに帰国し、高3の1年間を受験対策に充てやすい
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Bコースは高3直前に帰国となるため、一般入試との両立が難しい可能性あり
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現地校での成績認定により「進級」扱いも可能だが、推薦入試に必要な評定平均に含まれないケースも
📌 実際、多くの生徒は「留学中は休学し、帰国後に出発時点の学年へ復学」する選択をしています。
この場合、学び直しにはなりますが、受験スケジュールとの整合性が取りやすく、落ち着いて進路設計ができるというメリットがあります。
💡留学がキャリアや受験に悪影響を与えるものではなく、「長期的な視野で自己成長につながる機会」と捉えて、計画的に挑戦することが大切です。
派遣先の国や期間の特徴 ✈️
「どの国に行けるの?」「いつ出発してどれくらい滞在するの?」という疑問は、制度利用を考えるうえで重要なポイントです。
都立高校の留学制度(次世代リーダー育成道場)では、2つのコースに分かれており、派遣国・期間・出発時期が異なります。
🔹コース別スケジュールと概要
コース | 派遣国 | 出発時期 | 帰国時期 | 定員(目安) |
---|---|---|---|---|
Aコース | オーストラリア、ニュージーランド | 12月頃 | 翌年12月 | 約100名 |
Bコース | アメリカ、カナダ | 9月頃 | 翌年8月 | 約100名 |
🔸制度上の大切な注意点
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✅ 派遣先の国・都市・学校・ホストファミリーは、応募者が指定することはできません
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✅ コースは応募時に選択できますが、それ以降は都が一括して割り当てます
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✅ 原則「1つの派遣先に1人」の配置で、他の都立生と被らないよう配慮されています
なお、たとえばニュージーランドで派遣される可能性のある都市には以下のような例があります🗺️:
都市名 | 特徴とおすすめポイント |
---|---|
オークランド | 最大都市。利便性が高く、学校の選択肢も多い |
クライストチャーチ | 自然豊かで、落ち着いたホームステイ環境 |
ウェリントン | 首都で文化・芸術が盛ん。カフェ文化も魅力 |
ダニーデン | 大学都市で学びに集中できる静かな環境 |
ハミルトン | 小規模で日本人が少なく、英語漬けに最適 |
📌 ただし、こうした都市に派遣されるかはランダムであり、事前の希望申請はできません。
✈️ それぞれの国には教育水準が高く、治安も良好な都市が多く、初めての長期留学でも安心です。
未知の土地で学び、暮らすことが、何よりも貴重な成長機会となるでしょう。
都立高校留学の応募条件と対象者 📋
「この制度、誰でも応募できるの?」と気になる方も多いかもしれません。
東京都の次世代リーダー育成道場は、一定の条件を満たす都立高校生であれば、Aコース・Bコースどちらも応募可能です。
🔹応募資格の基本条件
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東京都立高校(全日制・定時制)に在籍していること
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応募時点で原則1年次または2年次に在学中
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学校の校内推薦を得ていること(校内選考あり)
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英語力や国際的な視野、将来への意欲があること
🔸選考スケジュール(A・Bコース共通)
時期 | 内容 |
---|---|
4月下旬 | 校内選考申込・推薦取得(学校ごと) |
5月下旬 | 都への本出願 |
6月中旬 | 本選考(日本語小論文・日本語面接・英語筆記・英語面接) |
7月 | 合格発表・手続き開始 |
夏〜秋以降 | 事前研修開始(A:6か月、B:1年程度) |
📌なお、英検準1級以上を取得している場合、英語筆記・面接が免除される制度もあり、英語資格を活用するチャンスです。
💬 選考では学力だけでなく、「留学の目的が明確か」「現地で主体的に行動できるか」などの総合評価が重視されます。
🌟「本気で海外に挑戦したい」という気持ちが何よりの武器。特別な学校や成績でなくても、真剣な意志があれば道は開けます。
都立高校の留学制度の詳細とメリット・注意点
- 費用と助成金・奨学金のしくみ 💰
- 申請から選考までの流れ 📝
- 次世代リーダー育成道場の倍率と実態 📊
- 留学が将来に与える影響とは 🌱
- 成績や進級に関する注意点と対策 📚
- 留学体験が将来に与える影響とは 🧳
費用と助成金・奨学金のしくみ 💰
💰「留学には多額の費用がかかるのでは?」と心配する方も多いでしょう。
しかし、都立高校の次世代リーダー育成道場では、東京都が受講料の大半を支援する制度が整っており、費用面の負担が大きく軽減されます。
🔹必要な主な費用(目安)
費目 | 内容 |
---|---|
受講料 | 約80万円(授業料・渡航費・滞在費を含む) |
その他の諸経費 | 約50万円(教材・海外保険・PC購入・生活用品など) |
小遣い・通信費 | 月1〜2万円程度(個人差あり) |
総額目安 | 約130万円(私費留学の約3分の1) |
📌同様の私費留学では平均約400万円かかるとされており、公的支援がいかに大きいかが分かります。
🔸東京都の減額・免除制度(所得に応じた支援)
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所得の低い家庭や多子世帯を対象に、受講料が半額〜全額免除される制度があります。
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減免には、住民税非課税証明書や所得証明書などの提出が必要です。
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対象は明確に公開されていませんが、生活保護・就学援助・児童扶養手当等の受給家庭は高確率で対象となる傾向があります。
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実際、「自己負担が30〜50万円程度に抑えられた」という例も報告されています。
🔸併用できる外部奨学金制度
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✔️【JASSO(日本学生支援機構)】
高校生向け給付型奨学金を提供(条件により返済不要)
公式サイト:https://www.jasso.go.jp
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✔️【トビタテ!留学JAPAN(高校生コース)】
返済不要の支給型/最大30万円以上の支給例あり
応募には計画書・事後報告等が必要
詳細:https://tobitate-mext.jasso.go.jp
📱現地ではホストファミリーが昼食を用意してくれることも多く、生活費はそこまで高くありません。
ノートPCや海外用SIMカードなどの初期費用を除けば、大きな出費は限られています。
🌟「費用が理由で挑戦できない」とあきらめる必要はありません。
制度内外の支援を活用すれば、経済的なハードルは想像以上に下げられます。
申請から選考までの流れ 📝
都立高校の留学制度「次世代リーダー育成道場」に応募するには、校内選考から都の本選考、事前研修を経て渡航するまでの長期的なステップを踏む必要があります。
🔹2025年度 応募・選考のスケジュール
時期 | 内容 |
---|---|
〜2025年4月下旬 | 校内選考申込・面談・推薦取得(学校内選考が最初の関門) |
2025年5月16日(金) | 都への本出願(志願者と学校、両方の手続きがこの日までに完了) |
5月26日以降 | 受験票ダウンロード開始 |
6月1日(日) | 小論文(日本語)+英語4技能試験(CEFR A2相当以上推奨)【筆記選考】 |
6月14日(土)または15日(日) | 個別面接(日本語)【面接選考】 |
6月25日(水) | 合否発表(出願サイトにて通知) |
7月19日(土) | 入校式(正式に道場生として登録) |
7月21日〜 | 事前研修スタート(A:2025年12月出発、B:2026年8月出発まで継続) |
🔸事前研修のポイント
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月1〜2回、日曜開催が中心(欠席厳禁)
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英語ディスカッションやTGG体験、ゼミ形式の研究活動も実施
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Aコース:約6か月間/Bコース:約1年間の研修期間
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内容不備や出席率低下で「留学資格が取り消される可能性あり」
📌本制度は個人応募できず、在籍校を通してのみ応募可能です。まずは担任や進路指導の先生に相談することから始めましょう。
🌟選考のハードルは高めですが、「準備の質と姿勢」で十分に勝負できます。早めの行動が成功のカギです!
英語学習に不安を感じている人は、こちらの記事「留学前の英語勉強におすすめの教材と学習法」も参考にしてみてください。
次世代リーダー育成道場の倍率と実態 📊
「倍率が高いって聞いたけど、自分にチャンスはあるの?」そんな不安を感じる方も多いかもしれません。
実際、次世代リーダー育成道場は毎年多くの応募者が集まる人気制度で、倍率は一定の高さがありますが、対策次第で十分に突破可能です。
🔹過去の倍率実績(目安)
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各コース定員:約100名(A・Bそれぞれ)
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応募者数:約300〜400名(年度により変動)
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実質倍率:2.5〜3倍前後
📌「トップ校の生徒ばかりが受かるのでは…」という声もありますが、実際は偏差値や校名よりも「目的意識・姿勢・成長意欲」が評価される制度です。
🔸選考における実態・評価ポイント
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面接では「現地でどう行動するか?」など具体的なシミュレーション質問が出されることも
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小論文では「社会課題への視点」や「国際感覚」を問うテーマが多い
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英語力は目安としてCEFR A2〜B1程度だが、英語力以上に「人柄」や「思考力」が重視
💡選ばれる生徒の共通点:
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留学後の目標が明確(例:「地域課題を英語で発信したい」など)
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日本語でも筋道を立てて話せるコミュニケーション力
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困難な場面を楽しみながら乗り越えられる柔軟性
🌟「特別な生徒だけの制度」ではありません。“本気”のある生徒に、平等に開かれたチャンスです。
留学が将来に与える影響とは 🌱
「留学って、将来本当に役立つの?」――そんな疑問に対して、実際に参加した都立高校生たちは、自信をもって「人生が変わった」と答えています。
1年間の海外生活を通して得られるのは、英語力以上の「生き抜く力」です。
🔹主な成長のポイント
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🗣️ 英語での「聞く・話す・読む・書く」力がすべて伸びる(教科書では学べない実用力)
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🌍 多様な文化や価値観を理解し、対話で乗り越えるコミュニケーション力
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🎯 自分の意見を明確に伝える自己表現力と、目標を語れる将来設計力
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🧭 時間・課題・人間関係を自分で管理する「主体性」と「責任感」
📌特に大きいのは、「日本人がほとんどいない」環境で、自分が“マイノリティ”として生活する経験です。
😓「黙っていたら誰にも気づいてもらえない」
😊「だからこそ、自分から動き、話しかけ、主張する力が自然と育つ」
日本のように“察してもらう”文化は通用しません。
だからこそ、多くの帰国生が「自分を押し出す力が圧倒的に鍛えられた」と語ります。
🔸進路やキャリアにも確かな影響
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海外・国際系大学への進学
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総合型選抜(AO)での自己PR力に直結
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外交・国際協力などグローバルな進路選択も
1年間の留学は、将来を決める「受験対策」ではなく、“人生をどう生きるか”を考えるきっかけになります。🌟
成績や進級に関する注意点と対策 📚
「1年留学したら、留年になるの?」「進路に不利じゃない?」――こうした不安はとても自然なものです。
ですが、都立高校の留学制度では、学年の扱いや成績評価に関して事前に選択肢が用意されており、柔軟に対応できるしくみが整っています。
🔹主な進級パターンは2つ
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休学して元の学年に復学する(多くの生徒が選択)
→ 留学先の成績は参考程度/国内での評定平均は維持 -
現地校の成績で進級扱いとする
→ 成績次第で高3に進級できるが、評定平均に含まれないため推薦入試に不利になる可能性も
📌特に注意したいのは、推薦型・総合型選抜で大学受験を考えている場合です。
評定平均(内申点)が選考基準に含まれるため、「進級扱い」にしてしまうと不利になるケースがあります。
🔸留学前にやっておきたい対策
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担任・進路指導教員と「帰国後の進級方針」を明確にしておく
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推薦入試を見据えている場合は、休学→復学ルートが安心
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現地校での単位互換についても、学校に事前確認を
📖また、帰国後に授業についていくために、通信教材や日本の教科書を持参して自主学習を続ける生徒も多数います。
語学力だけでなく、国内の学習リズムも保つ工夫が成功のカギです。
🌟「成績が不利になるから留学できない」ではなく、事前に準備すればきちんとカバーできるのがこの制度の良さです。
進級も受験も、留学も――すべてを両立する道があります。
留学体験が将来に与える影響とは 🧳
「実際に行った人はどうだったの?」――制度の魅力は、説明だけでなく、先輩たちのリアルな声からこそ伝わってきます。
ここでは、実際に次世代リーダー育成道場で留学を経験した都立高校生の体験談をご紹介します。
🔹体験談①:カナダに約10か月留学した女子生徒(Aコース)
最初は全然話せなくて、買い物すら一苦労。でも、話さなきゃ生活できないから、とにかく声を出す毎日でした。日本では人に合わせてばかりいた私が、「自分の意見を持って伝えること」に自信を持てるようになったのが、一番の変化です。
🔹体験談②:アメリカに派遣された女子生徒(Bコース)
プレゼンの授業で、自分の意見を英語で発表しました。最初は怖かったけど、「伝わった時の喜び」が忘れられません。帰国後はスピーチコンテストで入賞するまでに成長し、将来は国際協力の仕事に就きたいと思っています。
🔹体験談③:進級と受験の不安を乗り越えた生徒
留年が不安で、ずっと迷っていました。でも、「今行かなきゃ一生後悔する」と思って決断。復学後は年齢がズレても、そのぶん自信を持って学校生活を送れました。AO入試での自己PRでも、留学経験が大きな武器になりました。
📌共通しているのは、「自分を出す力」「語学力」「挑戦する姿勢」が大きく育っていること。
制度のサポートだけでなく、人生を変える1年だったという声が数多く寄せられています。
「私には無理かも」と感じていた先輩たちが、一歩踏み出して未来を切り拓いた――その事実こそが、何よりの励ましになるはずです。🌟
この記事のまとめ・要約
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都立高校生を対象とした「次世代リーダー育成道場」が存在する
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この制度は授業料・渡航費などが公的に支援される
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留学期間は1年間で、英語圏の高校に通学・ホームステイする
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派遣先の国や都市は希望できず、都が一括で割り当てる
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Aコース(12月出発)とBコース(9月出発)の2種がある
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応募には校内推薦と本選考(論文・面接・英語試験)が必要
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英検準1級以上の保有者は英語試験が免除されることがある
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意欲や目的意識が重視され、成績より姿勢が評価される
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所得に応じた受講料の減免制度が用意されている
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JASSOやトビタテ!などの奨学金制度とも併用可能である
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留学中は多くの生徒が休学し、帰国後に元の学年に復学する
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成績扱いを進級とすることも可能だが、推薦入試には不利となる
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派遣前後には数か月にわたる事前研修が課される
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留学を通じて英語力だけでなく主体性や国際感覚が育まれる
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帰国後の進路選択や自己PRに大きく役立つ経験となる